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クリニック経営に欠かせない
経営資源について

経営資源とは、企業がその事業活動において使える資産であり、ヒト・モノ・カネ・情報が四大経営資源といわれています。ヒト・モノ・カネ・情報の順番にも意味があり、このページでは4つの項目について解説していきます。

ヒト:良好な信頼関係を築くことが成功要因

経営資源における「ヒト」とは業務に関わる人材の意味で、クリニックの場合はクリニックで働く医療事務スタッフなどを指します。他にも、経理業務や財務状況について会計士や税理士に依頼することもあるでしょうし、広告やホームページ制作を外注するならば、そういった協力会社や外部のサポート人員も含めてヒトという資産と考える場合もあります。

開業医になったらご自身が経営者になるわけですから、こういった「ヒト」という資産を上手に生かすこと、つまり、スタッフの教育やスタッフが働きやすい環境づくり、外部協力会社との良好な関係を築くことが求められます。クリニック経営に関する業務はオーナーであるご自身に集中することが多いので、例えば、スタッフの育成や採用を含む経営方針を相談できるようなコンサルも「ヒト」という資産と考え、信頼できるパートナーを持っておくといいでしょう。

モノ:投資による費用対効果を考慮することが肝要

クリニックにおける「モノ」は医療機器をはじめとする事務用品や備品のすべて、そして物件も含まれます。物件はもとより医療機器の中には高額となるものがあるため、必ずしも最初から購入する必要はなく、リース契約をするという選択肢も一案です。購入して減価償却するケースとリース契約にするケース、どちらが経営上優位になるのかは経理知識がなければ判断しづらいところでしょうから、そういった試算も含めてアドバイスをくれるビジネスパートナーがいると心強いでしょう。

例えば、高額の医療機器を導入したとしても、購入費用とランニング費用両方を加算した以上の売上が得られないならば、導入することが利益を圧迫する要因になってしまいます。患者のために優れた医療機器を使ってよりよい医療を届けたいという思いと、クリニックを経営する上で本当に必要なのかという経営者の視点で「モノ」という資産を活用してください。

カネ:資金調達や経費削減が鍵

経営資源の「カネ」とは読んで文字通り、経費予算をどう配分し活用するかを意味します。クリニック開業においては、ご自身が目指すクリニックをつくるために、すべての経費項目や見積もりを洗い出し、そのための資金調達を先に検討しなければなりません。

クリニック開業資金は、自己資金が潤沢にある場合を除き、銀行など金融機関からの融資を受けることが多く、最初は多額の借入に抵抗を感じる方もいるかもしれません。しかし、事業を起こすという側面からいえば、金融機関との取引はその後の信用にもつながるもの。万が一、開業後に経営状況が悪化した場合、その時点で融資を申し込むよりは開業時の方が審査が通りやすい傾向もあります。

情報:情報収集と有効活用が成否を分ける

「情報」はカタチのない資産です。クリニック開業時は、診療圏調査や医療ネットワークといった情報データを上手に活用し、立地や物件選定、集患マーケティングに活用したいところです。情報社会といわれる昨今ですが、やはり医療業界や現場におけるリアルで正確な情報は、自分一人の力で入手するには限界があり、医療事情に精通しているコンサルなどと連携をとっておくことは賢明と言えます。

また、情報やデータはどのように活用するかが肝。情報処理経験やスキル、能力によって大きく差が出る上に、間違った使い方をすれば、当然求める結果は生み出せません。データそのものは数値に過ぎないため、それをどう解析して経営に生かすかは、医療コンサルのような経営戦略のプロに相談しましょう。大手の医療コンサルや支援年数の長い企業なら、公開されている情報だけでなく、自社で蓄積した情報の提供も期待できます。