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医師が抱える悩みで多いのが「給料の安さ」「休みの少なさ」「人間関係」だといわれており、意外かもしれませんが普通のサラリーマンと変わるところはあまりなさそうです。そして、こうした悩みを解決する手段として開業を選択する医師も少なくないのです。
世間一般的には「高収入」というイメージを持たれている医師。実際のところはすべての医師が高収入のわけではありません。多くの業界と同じく、医師の世界でも大きな格差が存在します。
たとえば、アルバイトをしなければ生活できない研修医時代などはともかくとしても、勤務医であれば役職に就いたとしても1,500~2,000万円といったところが給料の相場ではないでしょうか。非常に多忙な勤務環境を考えると、業務内容に見合わないと考えるのも無理はありません。
多忙な勤務医からよく聞かれるのが「休みが取れない」「時間が自由にならない」といった労働時間に対する不満です。医師が足りない病院では頻繁に当直・休日当番業務が発生し、夜間も十分な睡眠をとれないまま翌日の勤務に入ることもざらにあります。
また、目下の「医師の働き方改革」推進の中で明らかになった「医療行為以外の業務の多さ」も、勤務医が休みを取れない理由のひとつになっているようです。
職場の人間関係はあらゆる業界において問題になる「永遠のテーマ」であり、勤務医の場合は対象が「患者」と「上司」に集中しているようです。
いわゆる「モンスターペイシェント」とのやり取りや、医療訴訟に巻き込まれたことで疲れ切ってしまった勤務医の例は後を絶ちません。また、上司や管理職のドクターと意見・方針が合わず業務上で衝突したり、閑職に追いやられたりするケースも少なくなく、それをきっかけとして勤務医という仕事に見切りをつける医師もいます。
あらゆる業界でワークライフバランスの大切さが語られていますが、医師に関してはどうでしょうか。とてもではありませんが、重視されているとは言えないのが実情です。
日々の激務に追われてワークライフバランスを考える余裕もなく、心身をすり減らして燃え尽きてしまう医師も後を絶ちません。いったん立ち止まって、仕事のやりがいやプライベートの充実、報酬などの要素を整理し、優先順位を決めていくべきです。
とくに救急患者さんの搬入や入院患者さんの急変が多い医療機関の勤務医にとって、オンコール対応は欠かせない業務のひとつです。とはいえ、あまりにも頻回にオンコール対応をこなさなければならない環境であれば、医師の負担も相当なものになります。
せっかくの休日もオンコール当番ならいつ呼ばれるかわからず、気が休まらない時間を過ごすことになります。できるだけオンコールをやりたくないという医師が多いのも無理はないでしょう。
現状の年収に満足していない勤務医は多く、その理由として第一に挙がるのは「仕事の内容に見合った給料をもらっていない」という切実な思いです。ですが医療機関と雇用契約を結んだ勤務医である以上、なかなか望みどおりの年収を得るのは難しいといえます。
そんな勤務医が年収アップを目指す場合、どんな方法が考えられるのでしょうか。給与交渉、資格の取得、出世、転職、開業など、考えられる選択肢をひとつずつみていきましょう。
子育てと仕事の両立は働く女性にとって非常に大きなテーマで、多くの女性医師が不安や悩みを抱えるポイントでもあります。ですが、すぐに医師としてのキャリアアップを諦める必要はありません。
当直やオンコール対応もこなしていた出産前とまったく同じように働くのは困難かもしれません。ですが、周囲の理解やサポート、各種制度の利用、働き方の見直しによって医師の仕事を充実させることは十分に可能です。
ある程度は覚悟の上で医者になったとはいえ、想像をはるかに超える長時間労働に苦しんで燃え尽きてしまう勤務医は後を絶ちません。地域や診療科によっても状況は異なりますが、いわゆる「過労死ライン」を超えるような労働時間をこなしている勤務医はいまだに多いのが現状です。
この問題には政府も「医師の働き方改革」を推進することで介入し始めてはいますが、その成果をただ待っているわけにもいかないでしょう。
大学医局に所属する勤務医である以上、避けて通れないのが医局人事による異動や転勤です。一般的には医局の関連病院にローテーションで配属されるケースが多いのですが、人手不足のため頻繁に異動させられたり、引越ししなければならないような遠方への配属を命じられたりするケースもあります。
望まない異動や転勤に対して、ただひたすら耐えるだけではいずれ心身が持たなくなってしまうかもしれません。