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糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科クリニックの開業

北海道で糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科クリニックを開業して成功させるためには、どのような点に考慮して計画を立てるべきでしょうか。

このページでは、糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科クリニック開業のポイントを解説していきます。開業を検討しているドクターはぜひ参考にしてください。

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科で開業する
メリット・デメリットは

まず、糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科でクリニックを開業するメリットとデメリットについて、さまざまな視点から考えてみましょう。

メリット

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は内科系診療科の中でも専門性が高く、ターゲットとなる患者層を絞り込みやすいというメリットがあります。対象疾患の特性上も季節変動が少なく、いったん患者さんがついてくれれば将来にわたって定期的な受診を見込めるため、経営面でも安定しやすい診療科です。

特に糖尿病は全国的にも患者数は増加傾向(※)にあり、 北海道においても例外ではありません。専門性を前面に打ち出していくことで、それを必要とする患者さんが来院してくれるようになるでしょう。

※参照:厚生労働省「糖尿病」(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/18/backdata/01-01-02-08.html)

デメリット

デメリットとして挙げられるのは、第一に競合先の多さです。内分泌専門のクリニックがないエリアでも、すでに一般内科のクリニックが一定数の糖尿病や甲状腺疾患の患者さんを抱えていると思われます。

そう考えると、新規開拓が容易なエリアというのはほとんど残されていないともいえます。専門性の高さをアピールするとともに、患者さんにとっての付加価値を見出していかなければ集患に苦労する可能性が高くなります。

成功する開業と失敗する開業とは

次に、糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科クリニックの開業を成功に導くポイント、逆に失敗につながってしまうようなポイントを見ていきましょう。

成功しやすいポイント

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は内科との差別化が難しい診療科です。ホームページをはじめとした広告媒体で専門性を打ち出していくことはもちろん、糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科の対象疾患の情報を発信して、患者さんにクリニックの得意分野を認知してもらうことが非常に重要な戦略になります。いわば一般内科との診療の細やかさの違いを前面に出していく、ということです。

また、糖尿病はさまざまな合併症を起こしやすい病気ですから、単に血糖の管理だけではなく、総合内科のような全身管理が可能なクリニックを目指すのも成功につながりやすいと考えられます。

失敗しやすいポイント

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は専門性の高い診療科だけに、広告戦略が不十分だと集患に失敗しかねません。広告戦略の基礎となるのはクリニックの診療方針・コンセプトですから、そこがしっかりしていないクリニックは成功が遠のいてしまうでしょう。

クリニック開業時の過剰投資も失敗しやすいポイントのひとつです。糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は大型の医療機器を必要としないため、初期投資は抑えられるはずですが、ハード面にお金をかけすぎてしまうと話は別です。豪華な建物や内装にこだわるあまり、資金面で無理が出ないように気をつけなければなりません。資金計画が弱いと、後になって取り返しのつかないことになります。

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科での開業のタイミング

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は、患者さんの季節変動は比較的少ない診療科です。ただし、元の勤務先から患者さんを連れて開業するような場合は、円満に退職できるタイミングを見計らうことが良好な関係を維持するためにも大切だと思われます。

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科のクリニック開業動向情報

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は診療の専門性が高いため、一般内科よりも広いエリアからの来院を見込むことになるでしょう。そうなると、患者さんの交通手段にも着目する必要があります。最寄駅から近いことはもちろん、自家用車で通院する患者さんのために駐車場を確保することも考えなければなりません。開業地を選定する際は、北海道という寒冷地ゆえの積雪問題も考慮した上で決めていくべきです。

ハード面では、尿検査が必要な患者さんが多くなるので広めのトイレが必要となります。検査の結果待ちの患者さんのために、ゆったりとした待合スペースも用意したいところです。また、合併症の患者さんの場合は足に触れる場合もあるので手洗いなど水回りの整備が必要なことなど、診療科の特性を考慮することが大切になってきます。

開業資金や年収/月収

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は大型の医療機器を必要としませんが、検査結果を早く知るために検査機器は自前で用意したほうがいいでしょう。甲状腺科の場合は超音波検査装置も必須です。開業資金としては、テナント開業だと仮定すると5,000~6,000万円程度がひとつの目安になります。

次に年収ですが、糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科の開業医としての平均年収のデータは存在しません。広く内科の開業医としては平均で約2,400万円とされていますが(※)、多くの患者さんがついて経営が安定してくるとそれ以上の収入も十分に期待できるでしょう。

※参照元:【PDF】中央社会保険医療協議会 第22回医療経済実態調査「一般診療所(個人)(集計2)入院診療収益なし」p.149
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/22_houkoku_iryoukikan.pdf)

糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科の開業時や収益が不安定な時期にまとまった資金が必要になった場合

北海道の場合、クリニックの開業に限っていえばいわゆるメガバンクよりも地方銀行や信用金庫のフットワークが軽く、融資にも積極的な印象です。金利的に有利な日本政策金融公庫の創業融資制度を利用するのもいいでしょう。

ただ、そうした資金調達に必要な書類をドクター個人が作成するのは困難です。開業コンサルタントなどの専門家に任せたほうが無難かもしれません。

クリニック開業コンサルに
相談するメリットや選び方

開業までの流れ

それでは、クリニックを実際に開業するまでどのようなプロセスを経ていくのか、必要な作業やクリアするべき課題について一連の流れをみていきましょう。

開業プランの検討

どんな診療科であっても、クリニックの開業にあたっては何よりも先に診療方針やコンセプトを固めていくことが必要不可欠です。特に、糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科のような専門性の高い診療科であればなおさらでしょう。そこがしっかりしていなければ、事業計画も一貫性のない脆弱なものになってしまいます。

ドクターの得意分野と目指すべき医療の姿がミックスアップされたクリニックのコンセプトが、開業に係るすべての土台になっていくといっても過言ではありません。

具体的なプランの検証

診療方針やコンセプトが固まったら、それに基づいて事業計画を立案していくプロセスに移ります。開業エリアの診療圏調査や初期投資の見込みなど、さまざまなデータをそろえて無理のない計画を立てることが重要です。金融機関から資金調達を受ける場合も、この事業計画が融資決定の根拠となります。

この作業は、医療の知識だけでできるものではないのが現実です。遅くともこの段階で、開業コンサルタントなどの専門家が関与するのが理想的だと思われます。

設備の選定や内装業者との打合せ

高額な医療設備を必要としない診療科とはいえ、初期投資を抑える上では設備の選定にも慎重さが求められます。来院患者数の見込みなどに応じて、検査機器などはオーバースペックなものを選ばないようにしましょう。

内装に関しては無理に豪華にする必要はありません。衛生的で落ち着いた雰囲気であれば十分です。ただ、前述のようにトイレや待合スペースの問題などは診療科の特性に合わせて検討するべきです。

クリニックの準備と各種申請

クリニックのオープンが近づいたら、スタッフの募集を開始します。糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺科は患者さんに対して生活指導を行なうケースも多いので、糖尿病の認定看護師など専門特化したスタッフを確保できると理想的です。また、広告戦略上でもホームページは必須となりますので、早めの準備をおすすめします。

また、クリニックの開業に際しては行政や監督官庁に対するさまざまな申請・届出が必要です。そこに不備があると開業スケジュールにも影響しますので、経験豊富な開業コンサルタントなどの専門家に依頼したほうが安心でしょう。

開業

さまざまなプロセスを経てたどり着いたクリニックのオープンは、ドクターにとっては経営者の人生も始まる記念すべき日です。ですが、そこはゴールではなくあくまでもスタートです。

診療の成果である診療報酬の入金は、制度上2ヶ月後から開始されるので、それまでは無収入でもクリニックを運営できる体制を整えておかなければなりません。そのため、運転資金に余裕を持たせてクリニックのオープンを迎えることが重要です。