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消化器内科クリニックの開業

北海道で消化器内科クリニックを開業して成功させるためには、どのような点に考慮して計画を立てるべきでしょうか。

このページでは、消化器内科クリニック開業のポイントを解説していきます。開業を検討しているドクターはぜひ参考にしてください。

消化器内科クリニックを
開業するメリット・デメリットは

メリット

消化器内科はさまざまな診療科の中でも患者さんの数が多く、腹痛や下痢などのありふれた症状から悪性の病気まで、幅広い領域の診療を通じて地域医療に直接貢献できるのが魅力のひとつです。

がん領域においては消化器がんが相当の比重を占めており、特に大腸がんの患者さんは年々増加しています。国民の健康志向が高まりつつある昨今、内視鏡をはじめとした各種検査に対するニーズは増えていく一方です。そういった意味では、消化器内科の開業は時代の要請にマッチしているといえそうです。

デメリット

消化器内科クリニックのデメリットとしては、競合先が非常に多いということが挙げられます。診療上の強みがない消化器内科では、早々に淘汰されてしまうかもしれません。特に都市部においては、上部内視鏡(胃カメラ)だけでは勝負にならないと考えたほうがいいでしょう。

成功する開業と失敗する開業とは

成功しやすいポイント

消化器内科の開業では、やはり内視鏡を強みにしているクリニックが成功しやすい傾向にあるようです。特に働き盛りの世代には内視鏡検査のニーズが多いため、土日祝日を診療日にして患者数を増やすことに成功しているクリニックもあります。

近年は大腸がんの患者さんが増加していることから、下部内視鏡(大腸カメラ)を積極的に実施するのはもはや必須といえるかもしれません。検査の際に苦しくないように短時間でスムーズに下部内視鏡を実施できる技術があれば、いい評判を生む可能性が高くなります。

また、成功しているクリニックに共通しているポイントとして、ドクターの高いコミュニケーション能力が挙げられます。そんなドクターが生活習慣病をはじめとした消化器病全域を幅広く受け入れていけば、間違いなく多くの患者さんを獲得できるでしょう。

失敗しやすいポイント

消化器内科の開業時に陥りやすい失敗の1つに『過剰投資』が挙げられます。医療機器は内視鏡検査装置のほかレントゲンや超音波検査装置など、言ってしまえば、お金をかけようと思えばいくらでもかけられます。

患者さんが集まらないうちは、初期投資による返済の負担が大きくのしかかります。スタート時は本当に必要なものだけを用意したほうが無難です。

消化器内科での開業のタイミング

診療科によっては患者さんの季節変動が大きいので、スタートダッシュを成功させるために開業のタイミングには慎重になるべきです。そういう意味では消化器内科は季節変動の少ない診療科ですが、もし一般内科を併設するのであれば、患者さんが増える寒い時期にオープンするのがいいかもしれません。

また、今の勤務先を円満に退職できる時期を見計らうことも開業のタイミングとして考慮しましょう。これはマナーやモラルの問題だけではありません。今の勤務先で診ている患者さんの中には、開業後のクリニックに通ってくれる人もいるでしょう。見方によっては「患者さんを奪った」ということにもなりかねないのです。今の勤務先との関係を良好に保てるように、そういう視点からも開業のタイミングを検討すべきです。

消化器内科の医院開業・医師開業・クリニック開業動向情報

内科系診療科の中でも消化器内科を標榜するクリニックは多く、開業では競合先も多くなることが予想されます。診療圏調査など、エリアマーケティングはしっかり行なわなければなりません。

消化器内科を単独で標榜して専門特化するケースもありますが、人口密集地などで開業する場合は一般内科や総合内科を併設し、幅広い患者さんを受け入れるというのも戦略のひとつです。ただ、診療の範囲は明確にしておいたほうがいいでしょう。競合先の多いエリアで開業する場合は、そのほうが他院との差別化につながります。

消化器内科の診療報酬

競争の激しい診療科ほど、評判のいいクリニックとそうではないクリニックの差も大きくなります。消化器内科も例外ではありません。

消化器内科クリニックは経営が軌道に乗ってくると、診療報酬の年間総額は1億~1億2,000万円程度になるはずです。そうなると、医療法人化を検討したほうがいいでしょう。

開業資金や年収/月収

消化器内科クリニックの開業資金は他の診療科に比較して高額になりがちで、平均するとテナント開業で7,000万円程度がおおまかな資金の目安です。内視鏡検査室やリカバリールーム、複数のトイレなどを確保する必要があるため、テナントの費用が大きくなるのも理由のひとつです。もちろん、内視鏡検査システムなどの医療機器の導入に要する費用も必要になります。

次に年収をみてみましょう。消化器内科医師の平均年収は、統計データ上(※)では約2,400万円(2018~2019年)となっており、他の内科系医師の平均年収を上回っています。消化器内科の場合は、内視鏡検査による収入増が影響していると考えられます。

※参照元:[PDF]中央社会保険医療協議会「第22回医療経済実態調査」
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/22_houkoku_iryoukikan.pdf)

消化器内科の開業時や収益が不安定な時期にまとまった資金が必要になった場合

消化器内科クリニックは初期投資が高額になりがちで、開業時や経営が安定化するまではまとまった資金が必要になるでしょう。

北海道の場合、都市銀行よりも地方銀行や信用金庫のほうがクリニック開業の融資に積極的になってくれる可能性があります。金融機関に頼らない資金調達方法としては、北海道医師会の「特約融資制度(※)」などを検討するのもおすすめです。

※参照元:[PDF]北海道医師会公式ホームページ「北海道医師会のススメ」
(http://www.hokkaido.med.or.jp/about/pdf/nyuukainoshiori.pdf)

開業時に取得しておきたい
専門性・専門医資格

消化器内科領域では、日本消化器病学会が認定する消化器病専門医資格が広く知られています。また、日本消化器内視鏡学会では消化器内視鏡専門医制度を設けており、広告も可能な資格なので、開業時以降の集患に役立つのではないでしょうか。

開業までの流れ

開業プラン・立地の検討

どの診療科にもいえることですが、開業にあたっては先にコンセプトや診療方針を明確化する必要があります。北海道における消化器内科クリニックの場合、内視鏡検査だけで経営を安定化させるのは難しいと考えられるため、消化器疾患を幅広く受け入れるクリニックにする必要があるでしょう。

消化器内科は広めのスペースが必要なことに加え、がんの早期発見を目的とした内視鏡検査のニーズは若年層にも広がっていることも考慮して、駅近くや人口密集地などを念頭において物件を絞り込んでいきましょう。

設備の選定や内装の打合せ

消化器内科クリニックに欠かせないのが内視鏡システムですが、昨今は「痛くない、苦しくない内視鏡」が評判を呼ぶ傾向にあるようです。経鼻内視鏡の導入を検討するのもいいかもしれません。 内装に関しては、プライバシー確保に配慮した動線、空間づくりを心がけ、患者さんが安心して内視鏡検査を受けられるようにしましょう。トイレも多めに設置する必要があります。

クリニックの準備と各種申請

オープンが近づくと、看護師や事務員の募集、採用を開始します。同時期にホームページの準備も進めましょう。ホームページの出来は集患に直結するので、クリニックの強みを前面に打ち出した内容にしたいところです。

また、開業に際しては行政に対するさまざまな申請が必要になります。専門的な知識がなければ難しく、万が一書類に不備があると開業スケジュールにも影響するため、経験豊富な開業コンサルタントに任せることをおすすめします。

クリニック開業コンサルに
相談するメリットや選び方

開業

ついに実現したクリニックのオープン、ドクターにとっては経営者としての人生もスタートするわけです。

すぐに多くの患者さんが来てくれるといいのですが、なかなかそうもいきません。診療報酬の入金は2カ月後から始まるため、それまでは無収入でもクリニックを運営できるよう、開業時には資金的な余裕を持たせておくことを忘れないようにしましょう。