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クリニック開業のために
やるべきこと

クリニックの開業準備のための主なタスクは9項目あります。開業する診療科やその時々の状況によりこれに特定はできませんが、各タスクについて以下に説明していきます。
さっと見るだけでもこれらすべてを独力で行うのはかなり難しいことが想定されるため、信頼できる開業コンサルに相談してサポートを受けるのが賢明と言えるでしょう。

経営理念・診療方針の設定

クリニックの院長かつ経営者として追求したい医療や、どのようなクリニックにしたいのか、ブレのない開業及び経営をしていくために、漠然とではなくきちんと明文化する必要があります。
これまでの医者としての経験や専門性を活かすのは前提ですが、診療科目の打ち出し方にも影響する重要な部分です。この段階で開業までのおおよそのスケジューリングも決めておきましょう。

開業地の選定・診療圏調査

クリニック開業に限らず言えることですが、立地環境は業績に大きく影響します。地域特性や医療需要を理解するために、マーケティング調査や診療圏調査をして、開業候補地を絞り込んでいきます。

物件選定

物件形態としては戸建てとビル、医療モールの3つに分けられます。戸建てなら賃貸と購入を比較検討することもあるでしょう。候補物件は、希望や生活上の都合だけでなく、クリニックの方針や診療圏調査によるニーズや競合性などを加味して選定します。

事業計画の策定

医療も一種のビジネスであり、事業をスタートするにあたっては資金計画や収支計画などを策定する必要があります。集患数と売上予測を立て、原価や販管費を算出して損益計算をするとともに、キャッシュフローが回るかもチェックします。

資金調達

クリニック開業までにかかる費用と開業初期にかかる運転資金も含めて、必要な資金を金融機関などから調達します。物件候補を絞り込まないと具体的な試算はできませんが、物件契約は資金調達後に行うのが一般的です。

クリニック内装の施工・医療の機器手配

クリニックの設計・施工は医療施設に精通した業者を選ぶこと。保健所対応など法的条件を満たす必要があります。医療機器は事業計画に沿って、採算の合う機種選定をすること。医者としてだけでなく経営者として予算内に抑えてください。

クリニックスタッフの募集・採用

いわゆる求人サイトはオールジャンルと医療系に特化したものがあり、メジャーになるほど費用は高めになる傾向があります。開業する場所によってはハローワークや地元メディア、開業告知を兼ねたポスティングチラシなども検討してみてください。

集患のための広報や広告展開

クリニックのウェブサイトを用意するのは不可欠ですが、新規開業のクリニックだと検索結果に表示されにくい傾向があります。Googleマップ対策をしたり、医療系ポータルサイトへ登録するなど、専門業者に相談することをおすすめします。

開業申請手続き

クリニック開業の申請手続きは多岐にわたり、以下の6ヶ所への届出が必要となります。

  • 保健所
  • 厚生局
  • 福祉事務所
  • 消防署
  • 税務署
  • 医師会